タイの不動産市場について

コラム  2019/11/25

みなさん、こんにちは!

市川隆久です。

今日は、お客様からの質問にお答えしようと思います。

 

★*…━━━━━━━━━…*★

 

【バンコクのスクンビットエリア(タイ)のコンドミニアムを

他の業者さんから2014年に購入しました。当時は値上げすると聞いて購入しましたが、

先日聞くと今は値下がりしているとのこと…。タイの不動産市場について教えてください。】

というご質問を頂きました。

 

 

2014年というと、そのころのスクンビットでは

1㎡:50万円、1坪:150-165万円程度の時期だったと思います。

東京よりは安いが、東京の地方都市に比べれば、すでに結構な値段ですね。

バンコクでの人気なエリアに、スクンビット・サイアムとあります。

イメージしやすいように東京との比較で言うと、

 

スクンビット:世田谷区・二子玉川
サイアム:港区・千代田区

 

というイメージです。

ところが、今ではスクンビットが港区程度まで上がってきている。

2014年頃というと、値段が上がるという前提で購入されたと思います。

そして確かに不動産の相場は上がっています。

ですが、一つ一つの物件を見ていくと、そうとも限りません。

お客様の購入し不動産を確認させていただきましたが、残念ながら

購入時1㎡:15万バーツ→現在1㎡:14万バーツ

といったところでしょう。さて何故でしょう?

 

 

それは、購入した不動産に需要が少ないからです。

タイの普通の人のお給料は、

月額約2万バーツ、日本円で約6-7万円です。

日本人が購入する価格帯の物件は、そういった地元の方々が購入できる物件ではなく、

現地の富裕層か海外の顧客がターゲットになる。

しかし現地の富裕層となるともっと良い(高い)物件がほしい。

結果的にターゲットになるのが海外の顧客にのみ限られてしまう為、

売れる価格が想像したように伸びない。

これが、多くの東南アジア不動産で起こっている現象です。

購入するときに、使った業者がそれを説明してくれなかったのかもしれません。

投資で考えるのであれば、当然に出口戦略として

売却時のターゲットを明確にイメージして購入したほうが良い。

では、ローカルをターゲットにするにはどんな物件が良いのか!

これについて、弊社、株式会社国際不動産エージェント副社長の鈴木学氏に聞いてみました。

 

 

———-以下、鈴木 学氏 談———–

 

タイでは、バンコクに都市機能・人が集まっています。

ミャンマーやカンボジアからも出稼ぎに人が集まっている状況で、

バンコクだけで人口が約1500万人に上ります。

20年前の日本のマインドと類似して、収入レベルにあった不動産を

購入したいと思っている人が今多いのですが、

当時の日本との違いはインフラ整備状況にあります。

日本では通勤に使う電車が既に整備されていましたが、バンコクでは、

まだ車が主軸、電車はこれからという状況です。

交通網が当時の東京ほど発展しておらず、1500万人も住んでいるのに、

23区内にしか電車が通っていないようなイメージです。

 

 

都心へのアクセスが良い、千葉・埼玉くらいの郊外の小さいコンドで、

50万(150万)バーツ前後の不動産が現地人に売れています。

これらは、収入はそこまで高くない層に人気のあるエリアです。

局地的には作りすぎて売れていない場所も勿論あります。

バンコクでは平均より少し高い収入を得ている人が多い為、そういった方をターゲットに

土地100-200㎡/2F建/3ベッドルーム/トイレ2個/駐車場付の戸建か

タウンハウスがよく売れています。これは今300万バーツ(約1000万円)前後の価格帯です。

共働きが多く、新築の人気が高いという点は、東京の都心部と似ているのかもしれないですね。

 

鈴木 学 プロフィール

株式会社国際不動産エージェント副社長。
約2500名の会員を擁する「アジア太平洋大家の会」会長。
大学卒業後、アクセンチュアでITエンジニアとして世界で活躍。
シドニー、中国、インド、ドイツの外資系各社で勤務経験後、
現在は不動産専業。業界紙コラムの執筆や海外不動産セミナー講師の依頼も多い。
安心できる収益物件を求めて世界中を旅してまわる日々。
世界6か国でオーナーとして賃貸経営を実践中。

★*…━━━━━━…*★

 

出口はできるだけ広いほうが良い。

需要は常に変化しているので、その不動産がある地域のマーケットはチェックして、

購入しようとしている物件が売りやすいものがどうか、判断してから買うようにしましょう。

困ったら、相談に乗りますのでお気軽にご相談くださいね。